ダブルコイルは、ラダー図において発生してしまうエラーです。ラダー図の描き方の問題で、慣れないうちは発生しやすくなります。
○ダブルコイルとは
ダブルコイルとは、名前のとおり、同じデバイス番号のコイルが2個以上描かれていることです。例えば、内部リレーのM0というコイルが2個以上使用されているということになります。M0の接点は複数使用できます。
リレー回路では、同じコイルを2個以上使うことは不可能です。この同じコイルというのは形式が同じではなく、1つのリレーのことです。CR0というリレーには、接点4個とコイルが1個あります。この1個のコイルを複数使用することはできないのです。
ラダー図は、リレー回路をパソコン内で作成するようなものです。しかし、リレー回路のような、現実世界ではできないことが、パソコン内のラダー図ではできてしまうのです。
○ダブルコイルの動作
ダブルコイルの動作は、実際にラダー図を描くようにならないと理解し難い思います。ダブルコイルは基本的に使用しないでください。一応、どのような動作になるか説明しておきます。
内部リレーをM0を使います。プログラム(ラダー図)の先頭と最終に1個ずつM0のコイルがあるとします。そしてM0がONするとY0の出力もONします。
先頭側のM0がONして、最終側のM0がOFFのときY0はどうなるでしょうか。
動作としてはOFFです。先頭側がOFFで最終側がONであればY0はONします。
つまり、プログラムの最終側に近い方が優先して出力されます。このような特性により、予期せぬ動作をしますので使わないようにしてください。実際には、プログラムスキャン中、内部リレーはONする区間があります。PLCの特性上Y0に出力されませ。